男子高校1年生、強豪校サッカー部(GK)。今年9月中旬、練習後に両股関節痛が出現し1週間後に当院受診。鼠径部痛症候群と診断され、リハビリ開始となった方です。
開始時所見として、走行時や、キック動作のfollow-through期に鼠径部に疼痛を訴えており、同部位にはっきりとした圧痛を認めました。大腿骨寛骨臼インピンジメントなども疑い、前方インピンジメントテストやpatrick test(股関節内病変を疑うテスト)などを行うも陰性でした。
本症例は内転筋付着部の圧痛・収縮時痛・伸張時痛に加え、股関節の外転・内旋の柔軟性低下や、脊椎・骨盤帯の可動性低下を認めており、これが繰り返されるキック時のクロスモーション動作で、過度な内転筋群伸張ストレスにより、痛みが生じたと考えました。