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2024.04.17
今週のロビー花台

股関節が痛い

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変形性股関節症

概要

股関節は大腿骨骨頭と、骨盤側で受け皿となる寛骨臼(かんこつきゅう)により構成されています。構成する骨や関節軟骨に不具合が生じることで、関節軟骨の減少、骨の変形を来す病気です。病状が進行すると、歩行時の痛みや関節の動きに制限が生じ、日常生活にも支障が生じるようになります。

原因

変形性股関節症の発症は、一次性と二次性の2つに分けられます。
一次性変形性股関節症
股関節自体に特別な問題が無くても、長年、関節を使い続けるうちに、加齢変化により少しずつ軟骨がすり減り、ある時点で痛みなどの自覚症状となって現れる場合です。肥満や股関節に負担のかかる肉体労働などを長年続けている方に多いです。
二次性変形性股関節症
生まれつき股関節の骨の形に異常があるケースや特定の病気などが引き金になって発症する場合です。特に多いのは、「発育性股関節形成不全」や「臼蓋形成不全」などの小児期の後遺症で発症する場合です。これらは男性よりも女性に多く見られます。

症状

  • ・動き始めに、脚の付け根に痛みを感じる。
  • ・脚の付け根の動きに制限がある(可動域制限)。
  • ・階段昇降は、手すりが必要。
  • ・足の爪切りや靴下を履くことが困難。
  • ・足やおしりが細くなり、左右の足の長さが違っている。
病状の進行により、日常生活が困難になる場合があります。また、歩行時の姿勢が悪くなり、腰痛などの原因となる場合があります。

検査・診断

レントゲン検査で診断することが出来ます。
ごく初期の段階では軽い変化がみられるのみですが、重症度が高くなるにつれて関節の隙間が狭くなる、軟骨下骨が硬くなるなど、より明確な変化がみられます。さらに進行すると関節軟骨も消失し、骨の空洞も確認することが出来ます。必要に応じてCT検査やMRI検査を行う場合もあります。
  • ① 関節の隙間が正常に比べ、なくなっている。
  • ② 骨の棘が出来ている。
  • ③ 骨の中に空洞がはっきりと確認できる
レントゲンでは正常に診えますが、CTを撮影すると、骨の空洞が確認でき、初期の変形性股関節症であることがわかります。

治療

加齢変化であるため、すり減った軟骨や変形した骨をもとに戻す治療は現時点ではありません。症状の緩和と変形の進行を抑えることを主とした治療になります。当法人での治療は、大きく分けて保存治療と手術治療に分けられます。
保存治療(対症療法)
  • Ⅰ、生活指導
    変形の進行を抑える為に、関節へかかる負担の軽減を指導します。
  • Ⅱ、運動療法
    セラピストによる股関節周囲の筋力訓練とストレッチをすることで、進行を抑えることを目指します。
  • Ⅲ、薬物治療
    消炎鎮痛剤を中心とした、症状の緩和を目標とします。
手術治療(関節の適合性を改善させる骨切り手術)
股関節を形成する骨を切り、位置を変え、関節の適合性を改善させる手術です。関節にかかる負担を軽減させ、進行を抑制することを目的とします。治療期間が長く、社会復帰に時間がかかる、将来は人工関節置換術が必要になるなどの可能性があります。当法人では骨切り術は行っておりません。
手術治療
(関節をインプラントで置き換える人工股関節置換術(THA))
関節を形成する骨盤の寛骨臼と大腿骨の骨頭を人工物で置き換える手術治療です。痛みの原因となる関節がインプラントで置き換えられるため、術後の痛みの改善は早く、確実性にすぐれています。しかし、人工関節特有の脱臼や耐久性の問題などを考える必要があります。当法人では入院期間を3~4週間を目標に、社会復帰に向けた術後リハビリを積極的におこなっております。

大腿骨頭壊死

概要

股関節を構成する大腿骨頭の一部に血が通わなくなり、骨組織が死んでしまった状態を指します。壊死した部分は生きた骨の持つ修復能力がないため、壊死の範囲によっては、大腿骨頭の球形がつぶれてしまい、強い痛みが出現します。発症の原因がはっきりしない場合を特発性大腿骨頭壊死といい、難病指定されています。

原因

大腿骨頭壊死は血流障害から発生する病気ですが、危険因子としては、まずはステロイドの服用が挙げられます。ステロイドはリウマチや膠原病など、数多くの病気で使用されることのある薬剤で、多量に長期服用し続けると、リスクが上昇するという報告があります。
その他に大腿骨頭壊死の原因として、アルコールの過剰摂取、年齢、性別(男性が女性よりも発生しやすい)、などがあります。

症状

  • ・歩き始めに股の付け根に痛みがある。
  • ・階段昇降時に、痛みや違和感を感じる。
  • ・股の開きが悪くなった。
  • ・関節の動かせる範囲が狭くなり、うまく歩けなくなった。

検査・診断

基本的にはエックス線検査です。進行した状態であれば比較的容易に診断が可能ですが、初期の場合ですと、わずかに起こった壊死は診断できないこともあります。その場合は、MRI検査を撮影し、早期診断することが可能です。
初診時のレントゲン像では明らかな画像所見はないですが、MRI画像では、壊死により大腿骨頭の浮腫が著明にみられます。
4か月後のレントゲン像では、壊死の部分が黒く抜け、骨に著名な壊死範囲が確認できます。

治療

骨頭に血流がなくなってしまった状態であるため、内服薬による症状改善の可能性は低く、治療は手術治療が中心となります。
保存治療(対症療法)
  • Ⅰ、生活指導
    変形の進行を抑える為に、関節へかかる負担の軽減を指導します。
  • Ⅱ、運動療法
    セラピストによる股関節周囲の筋力訓練とストレッチをすることで、進行を抑えることを目指します。
  • Ⅲ、薬物治療
    消炎鎮痛剤を中心とした、症状の緩和を目標とします。
手術治療
(関節をインプラントで置き換える人工股関節置換術(THA))
関節を形成する骨盤の寛骨臼と大腿骨の骨頭を人工物で置き換える手術治療です。痛みの原因となる関節がインプラントで置き換えられるため、術後の痛みの改善は早く、確実性にすぐれています。しかし、人工関節特有の脱臼や耐久性の問題などを考える必要があります。当法人では入院期間を3~4週間を目標に、社会復帰に向けた術後リハビリを積極的におこなっております。