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2024.04.25
2024年の大型連休中の外来診療について

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多系統萎縮症

病態

成年期(30歳以降、多くは40歳以降)に発症する。初発から病初期の症候が小脳性運動失調であるものはオリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソニズムであるものは線条体黒質変性症、そして特に起立性低血圧など自律神経障害の顕著であるものは各々の原著に従いシャイ・ドレーカー症候群と称されてきました。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになりました。

症状

中年以降に起立歩行時のふらつきなどの小脳性運動失調で初発し主要症候となります。線条体黒質変性症は手足の筋肉がこわばる筋固縮、動きが少ない無動、座っている時や立っている時にも姿勢をまっすぐ保つことができず、 斜めに傾いたり、前や後ろに倒れてしまう「姿勢反射障害」などの症候が初発時よりみられます。起立性低血圧や排尿障害など自律神経症候で初発するものはシャイ・ドレーカー症候群と呼ばれます。その他、頻度の高い自律神経症候としては、勃起障害、呼吸障害、発汗障害などがあります。注意すべきは睡眠時のヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がする喘鳴や無呼吸などの呼吸障害であり、早期から単独で認められることがあります。
どの病型においても、経過と共に小脳症候、パーキンソニズム、自律神経障害は重複し、さらに錐体路徴候を伴うことが多いです。

治療

  • ・内服
  • ・非侵襲性陽圧換気法
  • ・呼吸障害にはなどには気管切開
  • ・嚥下障害が高度なときは胃瘻
  • ・リハビリテーションによる運動療法

パーキンソン病

病態

脳にある黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患です。発症年齢は50~65歳に多いですが、高齢になるほど発病率が増加します。40歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれています。

症状

  • (1) 安静にしている時の手や足に細かな震え『安静時振戦』
  • (2) 患者さんの腕や足を動かそうとすると関節がカクカクするような抵抗が感じられる『筋強剛(筋固縮)』
  • (3) 身体が動かしにくくなり歩く速度が遅く歩幅も狭くなります。『無動・寡動』
  • (4) 重心がぐらついたときに、姿勢を立て直すことができず、そのまま倒れてしまう。『姿勢反射障害』

治療

  • ・薬物療法
  • ・リハビリテーションによる運動療法