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今週のロビー花台
2021年10月29日
今週のスポーツリハビリ

男子高校1年生、強豪校サッカー部(GK)。今年9月中旬、練習後に両股関節痛が出現し1週間後に当院受診。鼠径部痛症候群と診断され、リハビリ開始となった方です。

開始時所見として、走行時や、キック動作のfollow-through期に鼠径部に疼痛を訴えており、同部位にはっきりとした圧痛を認めました。大腿骨寛骨臼インピンジメントなども疑い、前方インピンジメントテストやpatrick test(股関節内病変を疑うテスト)などを行うも陰性でした。

本症例は内転筋付着部の圧痛・収縮時痛・伸張時痛に加え、股関節の外転・内旋の柔軟性低下や、脊椎・骨盤帯の可動性低下を認めており、これが繰り返されるキック時のクロスモーション動作で、過度な内転筋群伸張ストレスにより、痛みが生じたと考えました。

 

そこで治療は、まず内転筋群の柔軟性や股関節可動域の獲得、脊椎・骨盤帯の可動性向上を目的に行いました。また、遠方から来院されることや、大会を直前に控え、来院頻度が少ないため、ホームエクササイズとして体幹トレーニングやストレッチなどを、徹底して行うよう指導しました。

今後、これまでの治療に加え、内転筋群の負担軽減のため、テーピングや上肢―体幹―下肢の協調性を高めるトレーニングを取り入れていき、連動性のとれたクロスモーション動作の獲得を図ることで、早期に完全復帰できるようリハビリを実施していきます。

なお、本症例のような鼠径部痛症候群は、サッカーや陸上中・長距離の男子選手に好発します。慢性化するリスクもあるため、早期の受診をお勧めします。

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