Latest News
2024.03.13
今週のロビー花台
2021年09月24日
今週のスポーツリハビリ

男子高校1年生、野球部(ピッチャー)。中学3年時の10月より右膝痛が出現し、他院にて治療を行なっていたようです。今年3月頃より更に疼痛増強し野球も困難となったため5月初旬に当院を受診し、オスグッド・シュラッター病と診断され、リハビリ開始となった方です。

レントゲン所見では脛骨粗面部の著明な剥離骨片を認め、Dr.よりリハビリ以外は、安静(一次的なスポーツ禁止)の指示も同時に出ました。

開始時所見として、脛骨粗面部のはっきりとした骨性隆起を触れ同部位の圧痛も強く、右膝関節屈曲制限(Ely-test陽性:大腿直筋の短縮テスト)も認めました。筋力に関しては、痛みが強く筋発揮が困難な状態でした。歩行や階段昇降時にも疼痛を認め、日常生活動作に支障をきたしていました。

またスクワット動作では、骨盤後傾位(猫背姿勢)で後方重心を呈しており、大腿四頭筋の遠心性収縮によって脛骨粗面部に繰り返しの伸張ストレスが加わっていたことが疼痛の発生要因ではないかと考えました。

治療は、先ず大腿前面筋の柔軟性向上を目的に、同部位のリラクゼーション・セルフストレッチング指導、そして患部以外の下肢・体幹の可動域改善や筋力向上を徹底して行いました。

6月4日のレントゲンで仮骨形成を認め、徐々に疼痛も軽減してきたことから、8月よりCKC-ex(大腿四頭筋のisometric-ex)・軽いJogging・キャッチボールを開始し、9月からはバッティング練習・本格的な投球練習へと進めていきました。

今後は発症要因となっているアライメントや大腿前面筋の柔軟性等を再評価し、完全復帰に向けたリハビリを実施していきます。また本症例は、重症で経過が長いことから症状が改善した後も、セルフケアの励行・継続を徹底指導していきたいと考えています。

YouTa medical fitness gym